九割九分九厘蛇足

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【書籍感想文】カタカナの正体

「カタカナの正体」(河出文庫 山口謡司)を読んだ。


カタカナが漢字から作られていることはよく知られている。
この本はその先を行く。

カタカナがいかにして出来たか、そのルーツを探る。
そして、その旅は、奈良時代平安時代まで遡り、中国(唐の時代)やインドまでその道を辿ることになる。

 

 

第1章では、現代の漫画やアニメを引き合いに出して、気軽に読み進められるようになっている。


第2章から本格的に遡っていくが、2章の節にこんなのがある。
・「はひふへほ」は「パピプペポ」
・「ツルツル」は「ディゥルディゥル」だった

こんなの、節の名前だけで笑うに決まってる。


そして、第3章、4章と進んでいくにつれて、カタカナの正体が紐解かれていく。
正直、この辺りは雑学のオンパレードである。まぁ、それが面白いわけだが。

 

 

気になった点がいくつかある。
まず、節が変わるとき、「ところで」という言葉がとても多く、ころころ場面転換するので、時代背景を知っていた方が読みやすいかもしれない。
私は学生時代、社会科が本当に嫌いだったので、背景に疎く、全部は把握しきれなかったように思う。

勉強し直そうかなぁ。勉強してる場合じゃないんだけど...

 

2つ目は、「はたして」を肯定文で使っていること。今日日あまり見ないので、何かポリシーでもあるのかなとなんとなく思った。


以上の2つは特に困ることがなくて、本当になんとなくそう思っただけなのだが、専門用語にルビがあまり振られていないところは気になった。こういう書物は元々よく知っている人用に書かれているのだろうか。それとも私が物を知らなすぎるせいだろうか。
それか、読み方が分かっていない、ということが、もしかしたら、あるのだろうか。この本を読むとそう思ってしまった。

 

 

そういう訳で、若干難しいところもあったのだが、興味深く読み進められたのは確かである。

ルーツや起源を追うのは何でも面白いものだ。

 

 

ところで、私は、カタカナで外国語を表すのはそもそも不可能だと常々思っており、カタカナ表記はあまり好きでなかったのだが、そう思っていた人は過去にもいた旨が書かれていた。まぁその程度のことを考え付く人は山ほどいるということだろう。